エアバッグのお話
これは私の不祥事で記者から囲み取材を受ける直前の写真です!
ではなくタカタのエアバッグ問題の頃株式を持っていたので株主総会に行った帰りの写真です。
ABCだったかCNNの腕章を付けた木の実ナナ風な明らかに海外テレビの日本特派員っぽいお姉さんにインタビューされましたが私はHONDA、タカタがうまくいく方にベットしていたので採用されませんでした。
だいぶ昔なのであの時の考えたことを整理してみました。こんなの投稿としてまずいかなと考えているところに出張が重なりそれどころではなくなっていました。ちょっとお付き合いください。
https://car.motor-fan.jp/article/10016635
元々エアバッグはアジ化ナトリウムを使って膨らませていましたが毒性からNGとなり、他社は自己反応性物質の硝酸グアジニンを使っています。タカタは相安定性硝酸アンモニウムというものを使う選択をしました。硝酸アンモニウムはレバノンで大爆発を起こしたように火薬の一種ですが肥料になるような身近なもの。
タカタは純粋に硝酸アンモニウムではないという「相安定性」を冠した物質だそうでした。
ここからはセンスが現実に合致するかの問題なのですが、硝酸アンモニウムは水に触れると吸熱反応を起こすのに対して、硝酸グアニジンは水に溶けて有機物に触れると発熱します。
エアバッグにはナイロンを使うので湿ったグアニジンが触れると燃える可能性があるはず。
そう考えると硝酸アンモニウムを安定させることができれば安全かもしれないと考えたのは完全に否定されるものではないという認識でした。
現に当時のタカタのインフレーターは硝酸グアニジンを使用したものより小さくステアリングのデザインの自由度が上がるという触れ込みでした。
ある程度製造から年月を経た車が湿度の高いところに長期間あると発生するというタカタの主張は100%ウソではないだろうと考えれば如何に水分を断絶するかがブレイクスルーになる可能性はあると考えていました。
そもそもアジアやアフリカの低年式中古車ではエアバッグセンサーを切っている事を知っていたので、保険の関係からも交換部品の一種となれば市場は広がるので下がった株価から戻る可能性はありうるだろうとの見込みをしていました。
そして件の株主総会。当時はみなさんインフレーターの解析が進まない事を問責していました。
株主総会の間も世界のどこかでエアバッグが動作して事故から人を救っているかもしれない企業がなぁ…という感想でした。
ただ、メキシコ工場での不適切な湿度管理を起点として高温多湿のアメリカ南部で多発しているという不具合の説明に対して、次の新工場を建設する湖北省では管理できるとの話。湖北省は日本以上にサウナのような高温多湿の地。
結局それが気になり最後は損切りしたのでした。