旅行部

スバぞう
2025/10/19 07:48

スバ学祭は旧中島家住宅とセットがおすすめです

バーガーショップの店員みたいなタイトルで失礼します;

 

スバ学祭のコンテンツが公開され、みなさん計画を立てている事と思います。

 

せっかく群馬工場に行くのであれば、是非同じ太田市内にある旧中島家住宅を訪れるべきと思いまして、先週の連休中に自分の眼で確かめに行ってきました。(昨年のスバ学祭の際に訪問された学生の方もいらっしゃいましたね)

 

国の重要指定文化財に指定された旧中島家住宅は、その名の通り中島飛行機を立ち上げた中島知久平が1930年(昭和5年)に両親のために建てた大大大邸宅です。

農家を継がず家出してしまったお詫びとお礼ですかね。規模がハンパないですけど;

その費用は100万円と言われ、翌年に建てられた大阪城天守閣の建設費用が47万円ですから、大阪城2つ分!とんでもない額ですね。(恐らく現在のウン十億円相当)

 

場所 群馬県太田市押切町1417  (what3words ///やるき。げんかん。やまいも)

 

この看板が目印です(奥の建物は公衆トイレ)

周辺にこれといった建物がなく(失礼!)、巨大な敷地が目立ちます。

家の敷地とは思えない・・・

 

入口は神社や寺院という感じでした。

 

のぼりに描かれている「さがり藤」が中島家の家紋(この家のテーマ)

若干気を引き締めて門をくぐると・・・

 

その迫力に圧倒!

超豪華な車寄せがありました。

これならどんな高級車でも楽々停められたでしょうし、負けない!?と思います。

ここを見ただけで圧倒されました(若干引き気味)。

 

御影石の階段(一本の石を持ってきて、ここで加工したそうです。継ぎ目なし!)を昇り、中に入ると太田市の職員の方がガイドをしてくれました。(ちょうど前の方の案内が終わったところ)

 

黄色い部分だけ中に入れます

 

このパンフレットをいただき、紹介ビデオを見た後、広間、応接室(1,2)を見学しました。

帰宅して気づきましたが、説明に聞き入ってしまい写真をだいぶ撮り忘れていました(悲

 

応接室には、群馬工場の来賓室にもあった電気ストーブを置く暖炉がありました(2か所)

来賓室には無かった電気ストーブがありました!

そのうち一か所にはなんと当時の電気ストーブがそのまま置いてありました!

恐らくイギリス製だと思われます。

また、本体をよく見ると”さがり藤”がデザインされており、特注品だとわかります。スゲー!

なんでも水をいれると蒸気が発生する加湿機能が備わっているそうです。ハイテク。

 

また、上を見上げれば立派なシャンデリア。(本体は当時のもの、電球はLED)

おしゃれ~

工場のシャンデリアは重厚なデザインでしたが、こちらは近代的なデザインでした。

また、ここにもさがり藤が描かれています。

 

そして窓を見ると、これまた立派なステンドグラス。(東京で作られたものらしい)

ボケててすみません;

ステンドグラスは応接室のいたるところにありましたが、すべてデザインが異なっていました。

 

また、窓が当時としては非常に珍しい上下に開くタイプ(洋館のつくり)。

ご厚意により開閉させてもらいましたが、目茶苦茶軽くてビックリ!
聞けば、滑車で反対側に重りをつけてバランスをとり、軽くしているそうです。

簡単に言いますが、重りをつけたら勝手に開いたり閉まったりしますよね?
そうならない絶妙な設計&施工。まさに匠の技。

また、蚊帳が全盛の時代ながら網戸(金網製)が装備されていました。虫もシャットアウト!

 

太い柱や梁には一切節がない厳選された木材が使われ、扉もすべて一枚板。
第1応接と第2応接は収納扉で仕切ることができるなど建築素人のスバぞうでも感動!(写真はなし)

 

そのあとヘリンボーン柄のお洒落な廊下から中庭を見学しました。

 

写真がないのですが、大きな庭石(京都から運んできた?)や池(壊れていて溜まらない)があり、倒れていた灯篭(震災の影響?)など、修繕したらすごい景色になると思います。

 

大きな一枚ガラスや曇りガラスは今でこそ普通ですが、当時の日本の技術ではまだ作ることができず、やはりイギリスから取り寄せたそうです。(95年前ですからね)

 

中はここまでで、残りの見学は外からになります。(建物の痛みが激しく危険を伴うため)

 

まずは客室部

純和風なのに絨毯なのがシュール

説明員の方によると、壁から天井にかけてアーチを描く造りは非常に珍しいとか。
優秀な宮大工の成せる技でしょうね。天井も千鳥格子です。

 

ただこの部屋、当然和室だったのですが、戦後アメリカ軍に接収された際、畳を外して板張りに改造されてしまったそうです。そして靴のまま暮らしていたとか。うわぁー、やめてぇー。

というか、民間人の住宅を接収するなんてことが許されたんですね。敗戦国の現実…

 

隣の客間は畳が残っているそうです。

壁やふすまに描かれた絵(鳥たちが飛び立つ飛行機会社ならではの構図)が印象的でした。

当時は黄金に輝いていたんでしょうね。日光や京都に来たみたい。

 

また、床から数十センチのところまでシミがあるのが確認できます。

これは接収中の1947年(昭和22年)のカスリン台風で氾濫した利根川の水がここまで上がった跡だそうです(2mくらい?)。

そこまで被害を受けたにも関わらず、床や柱はしっかりしていました。素晴らしい建付け!

 

 

そして見られる最後の部屋である居間部。

このふすま、直すの大変だろうなぁ。。。

 

そして隣が中島知久平(のご両親)の部屋。

写真デカッ!(笑

中島知久平氏に「勝手に覗くんじゃない!」て叱られた気になりました。失礼しました…

 

芝生がフカフカしていて超気持ちいいです。誰もいなければゴロゴロしたかったです

1万㎡といいますから、野球のグラウンドくらいの敷地ですかね?

その迫力に圧倒されてカメラに収めるのを忘れた景色が多数。また伺おうと思います。

ちなみに屋根瓦にもさがり藤マークが入ってました。

 

 

で、最後に重要なお知らせ!
説明員の方によりますと、この建物の調査がようやく終わり、再来年からいよいよ修復工事が開始されるそうです。拍手!パチパチ!

 

でもですよ!修復には10年ほどかかるとか。(10年以上も空き家状態でしたからね)
裏を返すと、当時からのありのままの姿を見ることができるのは来年までという事になります。

修復済みの応接室以外はしばらく見られなくなる可能性がありますので、今がチャンスです。

 

開館時間は9時から17時まで(入場は16:30まで)

スバ学祭を最後まで見ると間に合わないと思います。

パンフレットによると翌日の振替休日も開館しているので、宿泊される方は前日もしくは翌日に訪問するのがオススメです。

 

その際は、SUBARU矢島工場の前を通るとよろしいのではないでしょうか?
先日通ったら、T-1練習機と新型フォレスターが展示してあるのが見えました。

 

旧中島家住宅については、検索すれば色々な方が情報や写真を上げていますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

 

あっ!入場無料です(太田市に感謝)。

 

スバ学祭まで、約一か月。待ち遠しいですね。

 

 

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