私にはドキュメンタリーを製作する映像作家さんに
とても好きな方がいます。
その作家さんはある日のトークショーの中で、
撮る側も、撮られる側も、観る側も、
「みんなが幸せになるドキュメンタリー」をモットーに
ドキュメンタリーを製作し続けているとお話されていました。
そのトークショー後、
真冬の真っ暗な空の下、
5時間ほどハンドルを握る帰りの道中、
ずっと心があたたかかったことを今でもよく覚えています。
最近色んな方と接する機会が増えています。
誰かと接する度に、
お互いにwin-winの関係でいられるためには
どうしたらいいのかなって思ったりしています。
そのwin-winな関係は
仏教では「自利利他」という言葉が該当するようで、
「自利利他」とは
自分の悟りを開くために、他の人の救済を尽くすことという
意味を持つようです。
思えば、
スバルディーラーと長年お付き合いをしていますが、
顧客とディーラーとのお付き合いというのは、
ある種のwin-winの関係があるんですよね。
顧客はディーラーがなかったらクルマを乗り続けられないし、
ディーラーはお客さんがいなかったら会社を維持できないし、自分たちは生活できない、
という関係性があるわけです。
自分のクルマが壊れてるんだから早く直せ!とか、
会社だからもっと儲けなきゃ!もっと売らなきゃ!とか、
そういう自利のためだけでは
関係性が維持できないんだなってことを
スバルディーラーとのお付き合いの中で随分学んだことです。
映像表現も、
制作側が一方的に主張したい事、観客に伝えたい事があるだけでは
作品の質もガクンと落ちます。
映像に限らず音楽や絵や現代アートなどの他分野でも結構見かけますが、
そういう作品を制作する表現者は
表現者として成長していきません。
自分が、自分が、じゃなくて、
相手も、相手も、の気持ちを持って、
何事もやっていかなきゃと私は思っています。
自分のためにも、相手のためにも何ができるか。
そんなことを考えて、またハンドルやカメラを握ろうと思います。