先日、ホンダディーラーでVM型レヴォーグの中古車を見かけて投稿しましたが、実は偶然見つけたもので、本来の目的は別にありました。それは、BEVとして復活したホンダ インサイトです‼
インサイトはホンダの電動化のパイオニアとして、これまでフルモデルチェンジの度にコンセプトを変えながらハイブリッド車として進化してきましたが、今回はミドルサイズのBEVとして大きく方向転換しています。
そこで今回は、スタイルや価格帯が近いソルテラと比較してみました。
ソルテラもホンダ インサイトも、Cピラーが寝たクーペ風のシルエットながら、全体としては直線的で安定感のあるスタイルに見えました。その中でもインサイトは、プレスラインがスパッと通った水平基調のクリーンな造形が印象的です。一方でソルテラは、面の抑揚が強く、プレスラインもよりダイナミックに見えるのが特徴だと感じました。また、今回見たインサイトの「アクアトパーズ・メタリックⅡ」は、カタログでは淡い印象ですが、実車はかなり鮮やかで、個人的にはかつてXVに設定されていたラグーンブルー・パールに近い発色に感じました。

インサイトの全長は4785mmで、ソルテラ(4690mm)とトレイルシーカー(4845mm)のちょうど中間に位置します。全幅はインサイトが1840mm、ソルテラが1860mmとほぼ同等。一方で全高はソルテラが1650mmに対し、インサイトは1570mmとやや低めです。こうして見ると、インサイトは全長が長く全高が低い“ロング&ロー”なプロポーションで、ソルテラは高さのあるSUVらしいパッケージになっているのが分かります。
インサイト、ソルテラともに、リアはレターエンブレムを採用しており、ブランド名を強調したデザインになっています。その中でもインサイトは、面構成がシンプルでクリーンかつ上質な印象。一方でソルテラは、エッジの効いた造形や張り出しによって、よりダイナミックで存在感のあるリアビューに見えました。
ホイールはどちらも18インチになりますが、ソルテラにはメーカーオプションで20インチも用意されていますね

次に内装の印象
インサイトは実車に乗れていないため、公式サイトでの印象になりますが、全体としては水平基調でオーソドックスなレイアウトながら、薄型のメーターが特徴的です。どこか4代目プレリュードを彷彿とさせるような、シンプルでドライバー中心のデザインに感じました。一方でソルテラは、トップマウントメーターを採用しており、ハンドルの下から見下ろす独特のドライビングポジションが特徴です。従来のクルマとは異なる視線誘導で、EVらしい新しさを感じる部分でもあります。
質感については、インサイトは実車に触れていないため断定はできませんが、見た限りではソルテラの方がソフトパッドの使用範囲が広く、触感的な満足度は高そうに感じました。また、リアクオーターウィンドウの有無もあって、後側方視界はソルテラの方が優れていそうです。このあたりは、視界性能を重視するスバルらしい設計だと感じました。
後席については少し気になるポイントです。
前述の通り、ソルテラの全長は4690mm、インサイトは4785mmと、全長自体はインサイトの方が長くなっています。しかしホイールベースは、ソルテラが2850mmに対してインサイトは2730mmと、ソルテラの方が長い数値です。このため、単純なボディサイズだけで見るとインサイトの方が広そうに感じますが、実際にはホイールベースの長いソルテラの方が後席空間に余裕がある可能性もあり、どちらがより広いのかは気になるところです。ホイールベースの違いを見ると、ソルテラがBEV専用プラットフォームで設計されているのに対し、インサイトはエンジン車との共有を前提としたものなのかもしれませんね
荷室については、リアオーバーハングが長いインサイトの方が有利に見えます。一方で、ソルテラはSUVとしての使い勝手や後席とのバランスを重視したパッケージになっている印象です。また、荷室容量を重視するのであれば、同じスバルでもより積載性を重視したトレイルシーカーのようなモデルが選択肢に入ってくると思われるため、今回の比較では大きなポイントにはならないと感じました。
最後にスペック面について。
ソルテラはバッテリー容量74.7kWhで航続距離は746km(FF)、一方のインサイトは68.8kWhで535kmと、バッテリー容量に大きな差はないものの、航続距離では約200kmの開きがあります。
価格面でもソルテラET-SS(FF)が517万円に対し、インサイトは550万円と、スペックだけを見るとソルテラの方がコストパフォーマンスに優れているように感じました。
ただし、ソルテラは昨年末のビッグマイナーチェンジで大きく進化しており、それ以前はバッテリー容量71.4kWhで航続距離567km(FF)、価格も594万円という設定でした。
それに対して、インサイトは2024年にe:NS2として中国で先行デビューしているので、当時のソルテラを基準に考えれば、一定の競争力を持っていたとも考えられます。その上で現在の視点で見ると、ソルテラの進化幅は大きく、今後インサイトがどのようにアップデートされていくのかも気になるところです。
全体を通して見ると、ソルテラはビッグマイナーチェンジによって商品力を大きく高めており、特に航続距離や価格面では大きな進化を感じました。
一方で、ホンダ インサイトはロング&ローの美しいプロポーションや、水平基調で洗練されたデザインなど、独自の魅力を持っているモデルだと感じました。スペックやパッケージングの面ではソルテラの優位性が目立つものの、インサイトは登場時期を踏まえれば当時としては十分に競争力のある内容だったとも言えそうです。
ただ、インサイトは3000台限定という販売方法に加え、3月の先行展示会が関東のみで実施されていたこともあり、マーケティングの面ではやや消極的な印象も受けました。こうした展開を見ると、今後どのように商品展開やアップデートを行っていくのかも気になるところです。
今回比較してみて、同じ電動化の流れの中でも、メーカーごとの考え方やアプローチの違いがよく表れていると感じました。トレイルシーカーも近いうちに見に行きたいと思っています‼