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SINANO470
2026/07/07 12:30

レイバック ストロングハイブリッドとは何者か?パート3-なぜVN型にストロングハイブリッドを投入しなければならなかったのか?

 シリーズとして考察している。
 過去記事も参照されたい


〇クロストレックの販売戦略を考えるーなぜ今ハイブリッドを捨ててターボを投入するのか?
https://community.subaru.jp/announcements/axqcgqlejel9llml


〇レイバック ストロングハイブリッドとは何者か?―VN型の全体像から見る次期型への布石
https://community.subaru.jp/announcements/pxfnbosyhihwk05i


〇レイバック ストロングハイブリッドとは何者か?パート2―公式発表情報から読み解くその正体
https://community.subaru.jp/announcements/fhgpulstjtu3cab7

 基本的なレイバック・ストロングハイブリッドについての考察は先のパート1およびパート2に譲る。

 ここでは、なぜ今VN型にストロングハイブリッドを投入しなければならなくなったのかを考察したい。


〇乗用車ブランド通称名別順位 2025年1月~12月分
https://www.jada.or.jp/files/libs/6986/202604031138081429.pdf

 これによるとスバルの販売車種ごとの年間販売台数は、以下の台数になっている。
 フォレスター:31,688台
 インプレッサ:31,290台
 レヴォーグ:15,327台

 日本における2025年内の販売台数の合計は以下の通り。


〇2026年3月度および2025年度累計 生産・国内販売・輸出実績
https://www.subaru.co.jp/news/2026_04_27_142322/


国内販売乗用車数(登録車):87,979台

 フォレスターとインプレッサとレヴォーグで合算すると78,305台となっており、国内で販売された普通車の89%を占めている。

フォレスター:31,688台(36.0%)
インプレッサ:31,290台(35.6%)
レヴォーグ:15,327台(17.4%)
国内販売乗用車数(登録車):87,979台

 さて、ここで重要なのは、車名の中に何が含まれているかである。
 フォレスターはそのまま単体で存在しているが、インプレッサとレヴォーグは少し異なる。
 ここでいうインプレッサとは、クロストレックも含めた数になっているということである。
 どちらも同じGU型になる。
 レヴォーグは、レイバックも含まれている。こちらもどちらもVN型である。

 スバルは、2026年5月15日の2026年3月期決算説明会において、本格的な自社開発BEVの発売延期を発表した。これは28年末までに発売予定であったものを後ろ倒しにするということである。付随して、BEV専用ラインとして計画されていた大泉工場のラインも変更されることになった。
 これは、スバルにとって最大市場であるアメリカでのBEV補助金打ち切りなど、需要が急速に鈍化していることが原因の一つ挙げられる。また、ハイブリッド需要の高まりや内燃機関の再評価を踏まえ、電動化投資として計画されていた総額1.5兆円の電動化関連投資の配分を見直し、未着手だった1.2兆円分の投資をハイブリッド車(HEV)やガソリン車(ICE)向けへ振り分けなおしている。
 実際はこれよりもさらに前に内部としては計画変更が決まっていただろう。

 ここで前回パートまでで説明していたCAFE規制対策が重要になる。
 現在のS:HEVでもカタログ燃費は19km/L程度であり、CAFE規制の目標値である25.4km/Lには届かない。その足りない分をEVで補うのが基本的な方針であった。
 アライアンスモデルこそ計画通りに4車種でそろうことになったが、自社開発EV(BEV)の後ろ倒しや世界的なEV需要の鈍化でこの方針は事実上瓦解することになった。現状日本で発売されているソルテラとトレイルシーカーは比較的好調だが、全体的なEV需要の鈍化で、とてもCAFE規制の目標値をカバーできなくなっていると考えられる。自社開発EVの後ろ倒しは、EV拡充を遅らせることになるので、より日本におけるEV販売数が伸びにくくなることになる。

 先ほど挙げた日本におけるスバルのメイン車種であるフォレスター、インプレッサ(クロストレック)、レヴォーグ(レイバック)のうち、フォレスターとクロストレックにはS:HEVが投入済みであった。
 残る基幹車種のうち、S:HEVがないのはレヴォーグとレイバックことVN型。
 インプレッサにもないのだが、販売の割合はクロストレックの方が多くを占めており、こちらにS:HEVが投入済みであるので、インプレッサは廉価グレードとしての役割として残されていると推測できる。クロストレックのS:HEVがより多く売れれば、GU型としてのS:HEV販売比率を多く保てるので問題ないのであろう。それゆえのクロストレックに対するe-Boxer廃止とCB18ターボ投入であると考えられる。*前回記事参照。

 残る基幹車種のうち、ICEのみになっているのがVN型レヴォーグとレイバックである。このVN型系列は、国内販売全体の17.4%を占めている。ましてVN型はターボ+AWDのみの仕様だ。
EVの後ろ倒しにより、販売車種全体の平均燃費をEVで補完しきれなくなった。その結果、ICE/HEV系統そのものの平均燃費を底上げする必要が生じた。
 販売車種全体のうち、フォレスターとインプレッサ(クロストレック)とレヴォーグ(レイバック)で89%を占めている。そのうち、フォレスターとインプレッサ(クロストレック)にはストロングハイブリッドであるS:HEVを投入済み。
 ゆえに残るレヴォーグ(レイバック)ことVN型に急いでストロングハイブリッドを投入しなければならなくなったのではないかと考えられるのだ。

 細部はパート1およびパート2のレイバックストロングハイブリッドの正体を探る記事に譲るが、今回のレイバックS:HEV(ストロングハイブリッド)とは、単純にレイバックにS:HEVグレードを入れたというわけではなく、戦略的にレヴォーグの需要をも取り込む役目を与えられた車種である。
 健闘を期待したい。

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