米国在住(だった)私が見る、日本スバルCMの「体験シフト」の正しさとアメリカのDNA
最近の日本のスバルCM(レイバックなど)の方向性の変化を見ていて、「非常に正しい方向へシフトしたな」と感じているので、こちらに共有させてください。
一言で言うと、「ドラマ仕立てのストーリー(Your story with)」や「今や当たり前になった安全技術のスペック押し」を脱却し、「この車に乗れば、どんな特別なライフスタイルが得られるか」に軸足が移ったということです。
ここには、SUBARUというメーカーの本質的な強みと、アメリカでの成功のDNAが隠されていると感じています。
1. 数字を持たないSUBARUの選択
まず大前提として、SUBARUにはトヨタのような「燃費リッター〇〇km!!」といった、一目で万人受けする「分かりやすい数字のスペック」がありません。低重心な水平対向エンジンやシンメトリカルAWDがもたらす「抜群の安定性」「長距離でも疲れない静粛性」「いざという時の安全確保のしやすさ」そして、アイサイトは、カタログの数字や短いCMの言葉では伝わりません。乗って運転してみなければ絶対にわからない価値だからです。だからこそ、車のシステムや構造説明を捨てて、「この車があることで、自分の人生や趣味がどう豊かになるか」というイメージを前面に出す戦略が最も正しいと感じるのです。
2. 「ドラマの背景」から「人生の主役(ギア)」へ
かつての「Your story with」シリーズも、決して悪いCMではなかったと思います。ただ、ドラマ仕立てに凝るあまり、視聴者として「良い話だけど、結局SUBARUとして何が言いたいんだろう?」と感じてしまう、もどかしさがありました。車がただの家族ドラマの背景になってしまっていたのです。しかし、自動ブレーキなどの安全技術が業界全体で当たり前になった今、ドラマで技術を優しく説明するフェーズは終わりました。今のレイバックなどのCMが優れているのは、車を背景にするのではなく、「この車に乗ることで、あなたの人生にどんな新しい景色や体験が加わるか」を主役に据えている点です。
3. なぜアメリカで売れるのか?ヒントは「Subie(スービー)」という呼称
よく「アメリカでスバルが売れるのは、国土が広くて大自然が多いから」と言われますが、私はそれは表面的な理由に過ぎないと思っています。最大のヒントは、アメリカでスバルオーナーが親しみを込めて「Subie(スービー)」と呼ばれている点にあります。(ちなみに、日本は「スバリスト」ですね)
考えてみてください。トヨタのオーナーを「トヨディー」、ホンダ乗りを「ホンディー」とは誰も呼びません。メーカー名がそのままオーナーの愛称(アイデンティティ)として社会に定着しているブランドは、アメリカでもスバル(と、強烈なオフロード文化を持つJeepくらい)しかありません。スバルがアメリカで愛されている本当の理由は、「家族の泥臭い日常の使いやすさ(実用性)」を完璧に満たした上で、それをワクワクするライフスタイルに昇華させ、「オーナーであること自体が誇らしいコミュニティ」を創り上げたからです。
実は、日米のファミリー層が車に求める「リアルな欲求」には共通点があります。
・週末の大量の買い出しでも、荷物がストレスなく全部載る(優れたカーゴスペース)
・子供の成長に合わせた、チャイルドシートの載せ替えやアクセスが楽
・四駆の安心感で、悪天候の子供の送り迎えも全く不安がない
アメリカのスバルは、こうした「生活に密着した道具としてのタフさと利便性」をベースに持ちながら、CMではそれをLoveキャンペーン(ペット愛や環境保護)と結びつけ、「スバルを選ぶことは、あなたの生き方や価値観の表現ですよ」と伝えて「Subie」という熱狂的なファン層を生み出しました。
4. レイバックに見る「日常と冒険」の融合、そして日本版Subieへ
その意味で、今の日本のレイバックのCM展開(都会的なルックスから、大自然やアクティビティへとシームレスに繋がっていく演出)は見事です。単なる「お涙頂戴の物語」や「よくわからん家族話」にするのではなく、「子育てや日常の使いやすさは一級品。だからこそ、週末はそのまま大自然やスポーツへ冒険に出かけられる」という、アメリカ的な「アクティブでタフ、だけど温かいリアルな体験」を提案できているからです。
「数字」で勝負できないSUBARUだからこそ「人生の可能性」で勝負する。この日米共通のリアルに根ざした「体験押し」の方向性こそ、SUBARUが日本市場でも進むべき王道であり、日本にももっと熱狂的な「スバリスト(Subie)」の輪を広げる鍵になると確信しています。
日米で魅せ方は違えど、根底にある「モノよりコト(体験)」を伝える今のスバルの姿勢について、皆さんはどう感じていますか?
まとめると、「モノ(車そのもの)よりコト(体験)、コトにこそニーズがある」と考えています。
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投稿を表示とても勉強に なります
自分の人生の一コマに この車がもたらしてくれるものに期待が募れば欲しくて堪らなくなります そして、同じ共感を持ったコミュニティが自然発生して文化となり
コミュニティと相思相愛になっていく企業は永く支持されますよね 共に人生を生きていきたいものです