マツダのTrekコラボをどう見る?SUBARUの王道「コト(体験)」への宣戦布告
スバ学の皆さん、こんにちは。
先日、スバ学で「SUBARUの真髄は、モノ(機能)のではなく、コト(体験)だ」と話しました。
スペック的な数値だけでなく、「この車があることで、自分のライフスタイルや人生がどう豊かになるか」という安心感やワクワク感を提供することこそ、SUBARUが長年築き上げてきた唯一無二のDNAのはずです。
さて、最近の北米マツダの動きを見ていて、少し気になる点がありました。
最近の北米マツダが自転車大手の「Trek」と手を結び、本格MTBを積んだCX-50で大自然を駆けるプロモーションを本格化させている動きに、強い驚きと危機感を覚えました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/45d5daff3ecf679cf967a3ce26dfb9b390c7e15a
アウトドアや過酷な悪路のイメージといえば、これまではSUBARUや三菱自動車といった、現場のリアルで泥にまみれて実績を築いてきたブランドだけの「聖域」だったはずです。そこに、あの「まさに都会派」であり、スタイリッシュなデザインを武器にしてきたマツダが、Trekという超一流の相棒とタッグを組んで真っ向から攻め込んできました。
この発表されたマツダのイメージ写真の特に面白いところは、マツダはオフロードを走っているプロモーションなのに、車体に泥すらつけていないところです。
SUBARUが『泥まみれになって戦うタフな道具』を見せるのに対し、マツダは大自然の中でもピカピカの車体で美しいライフスタイルを提案しているようです。これは、同じオフロードでも全く違う領分、いわば「真の都会派のオフロードの在り方」をマツダが新しく定義して、その市場を横からかっさらいに来たということではないでしょうか。
このプロモを見て、気軽にアウトドアを楽しみたいライトな層(アウトドアしたいけど、汚れるのはちょっと。。)は、きっとマツダを選ぶでしょう。
しかもここで、いったんオフロードのイメージがマツダにもついてしまえば、車の能力差なんて購入の際の足かせになりません。いったい何人の人が、車を買うときに他社の車と限界まで乗り比べて購入するでしょうか?
普通買うときはみな、『あ、なんかカッコいい。これでMTB載せて走ったら最高だな』という直感で買うはずです。だからこそ、マツダがこの『体験イメージ(コト)』を本気で獲りにきていることは、SUBARUにとって見た目以上の脅威だと思うのです。
ただ、ここでふと思ったのです。「じゃあ、SUBARUの本業ってアウトドア(泥やキャンプ)なのだろうか?」と。SUBARU自身が掲げている言葉は「安心と愉しさ」です。もちろん、すべての車種がアウトドアテイストではないことは百も承知しています。たとえばレヴォーグやWRXは、圧倒的な安心の裏付けをベースに、オンロードでの『純粋な走りの愉しさ』を極限まで追い求めた本物です。そしてオフロードにおいて、過酷な環境でも絶対に裏切らない『安心』があるからこそ大自然を心の底から『愉しめる』という本質を体現できるのが、アウトバックやフォレスターという、フラッグシップたちのはずです。
SUBARUにとってアウトドアとは単なるお洒落なイメージではなく、ブランドビジョンを証明する最高の舞台のはずなのです。それなのに、最近のSUBARUに見られる「都会派」という謎のブレは何なのでしょうか。私たちを魅了した「圧倒的な安心という裏付け(モノ)」を語ることを少しサボり、他社のモノサシである「都会的なイメージ」に色目を使って軸足をブレさせているように見えてなりません。アウトドアの本物が上辺だけの都会派に化けようと迷走している間に、真の都会派がTrekという本物をまとって、「アウトドアの特等席」を奪いにきています。
昨今の世の中のトレンドに流されて軸足がブレにブレてしまうと、それこそデザイン性の高いライバルに、足元をすくわれ、本業である「安心と愉しさ」の表現舞台まで明け渡すことになりかねないのではないか。
皆さんは、どう思いますか?
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投稿を表示マツダのプロモーション演出とブランド意図ですが、CX-50がオフロードで車体を汚さない演出をしているのは、走破性の誇示というより、マツダ最大の強みである「塗面の美しさ(マツダ・プレミアム)」やデザイン性を際立たせるための映像表現だと感じます。これは「上辺だけ」というより、彼らのブランドアイデンティティに忠実な魅せ方と言えるのではないでしょうか。
今回のCX-50の件は北米市場での動きですが、北米でSUBARUが築いてきた地位は、単なる「泥臭いアウトドアのイメージ」だけではありません。15年以上にわたり全米で展開されている「Subaru Love Promise」に代表されるように、環境保護や社会貢献を通じた「ユーザーの価値観への共鳴」という強固な精神的基盤があります。悪路走破性に代表される道具としての実用性の評価も長年の実績によって築かれたものです。この信頼関係は一朝一夕のプロモーションで揺らぐものではありません。
国内で「都会派へのブレ」と感じられるのは、おそらくレイバック(SUV/S:HEV)などのオンロード志向モデルの登場を指してのことかと思います。しかしこれは「ブレ」ではなく、ハードな走破性を必要としない日常使いのライト層やオンロードの快適性を求める層へターゲットを拡げるための健全なラインナップ拡張と捉えるのが妥当です。現にフォレスターやクロストレックを見ても、AWD制御やX-MODE、SGPによる基礎体力、アイサイトによる安全性という「SUBARUの真髄(モノ)」は一切犠牲になっておらず、走破性を含めた動的質感はむしろ着実に進化しています。
私自身がずっとブログで書いているように、レイバックS:HEVは確かに一言で語り切れない分かりにくいコンセプトを持つ車種で、スバルのラインナップの中では少し異色です。しかしそれとてつぎはぎが見え隠れする中でも求めたものはあるはずであり、特にスバルの中心的な軸である安全は一切ぶれていません。