最新ミドルSUV比較 前編ではフォレスターとRAV4、CX-5、CR-Vのデザインとパッケージングを比較しましたが、今回はパワーユニット、安全装備、価格の比較をしていこうと思います。
1. パワーユニット
Forester | CX-5 | Forester | RAV4 | CR-V | ||
CB18 | e-SKYACTIV G 2.5 (4WD) | 2.5 SHEV | 2.5 HEV | 2.0 e:HEV (4WD) | ||
エンジン | 最高出力 [kW(PS)/rpm] | 130(177)/5200-5600 | 131(178)/6000-6200 | 118(160)/5600 | 137(186)/6000 | 109(148)/6100 |
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最大トルク [N・m
(kgf・m)/rpm]
| 300(30.6)/1600-3600 | 237(24.2)/3800-4000 | 209(21.3)/4000-4400 | 221(22.5)/3600-5200 | 183(18.7)/45000 | |
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燃料タンク
容量 (L)
| 63 | 58 | 63 | 55 | 57 | |
前モーター | 最高出力 [kW(PS)] | 4.8(6.5) | 88(119.6) | 100(136) | 109(148) | |
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最大トルク [N・m
(kgf・m)]
| 60.5(6.2) | 270(27.5) | 208(21.2) | 335(34.5) | ||
後モーター | 最高出力 [kW(PS)] | 40(54) | ||||
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最大トルク [N・m
(kgf・m)]
| 121(12.3) | |||||
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WLTCモード燃費 (km/L)
| 13.6 | 14.2 | 19.1 (18.5) | 22.9 (22.5) | 18.2 (18.0) | |
市街地モード (km/L) | 10.2 | 10.9 | 15.7 (15.2) | 18.5 (18.0) | 16.4 (16.3) | |
郊外モード (km/L) | 14.3 | 14.4 | 21.0 (20.1) | 27.0 (26.5) | 19.6 (19.4) | |
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高速道路
モード (km/L)
| 15.3 | 16.2 | 19.7 (19.3) | 22.8 (22.6) | 18.1 (18.0) | |
フォレスターのガソリンモデルとCX-5のマイルドハイブリッドは、どちらも最高出力は170PS台後半とほぼ互角ですが、その性格は大きく異なります。フォレスターは1.8Lターボならではの300N・mという力強いトルクを1600rpmから発生し、低回転から余裕のある走りが魅力です。一方、CX-5は2.5L NAエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせ、自然で滑らかなフィーリングと、フォレスターをわずかに上回る燃費性能を両立しています。力強さを重視するならフォレスター、NAらしい自然なフィーリングを重視するならCX-5という選び方になりそうです。
一方、ストロングハイブリッド車では、各メーカーの思想の違いがより色濃く表れています。フォレスター S:HEVとRAV4 HEVはどちらも2.5Lエンジンをベースとしていますが、フォレスターは機械式AWDによる悪路走破性や走行安定性を重視しているのに対し、RAV4はリアモーター式4WD(E-Four)により、発進時の力強さと燃費性能を重視しています。
CR-V e:HEVは2.0Lエンジンと2モーターハイブリッドを組み合わせ、3台の中で最もEV走行の割合が高いのが特徴です。一方で、「リニアシフトコントロール」により有段ATのような変速感を演出するほか、AWDには機械式を採用するなど、エンジン車に慣れた人にも配慮されています。
現時点でCX-5はマイルドハイブリッドのみの設定で、この3台と比べると燃費性能ではやや不利な印象です。来年にはストロングハイブリッドの追加が予定されていますが、"ディーゼルのマツダ"として独自の個性を築いてきたメーカーだけに、その役割がストロングハイブリッドへ移ることで、従来の「マツダらしさ」が少し薄れたようにも感じました。
2. 安全装備
フォレスター | RAV4 | CX-5 | CR-V | |||||
項目 | アイサイトXなし | アイサイトX | HEV Adventure | HEV Z | G EXパッケージ | L | e:HEV RS | e:HEV RS BLACK EDITION |
衝突被害軽減ブレーキ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フロントクロストラフィックアラート | ○ | ○ | - | △ | ○ | ○ | - | ○ |
全車速追従ACC | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
車線維持支援 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ブラインドスポットモニター | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
360カメラ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
オートハイビーム | - | - | ○ | - | ○ | - | - | - |
アダプティブハイビーム | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ | |
渋滞時ハンズオフアシスト | - | ○ | - | △ | ○ | ○ | - | - |
レーンチェンジアシスト | - | ○ | - | △ | ○ | ○ | - | ○ |
ドライバー異常時対応システム | ○ | ○ | - | △ | ○ | ○ | - | ○ |
駐車支援 | - | - | - | アドバンストパーク | - | - | - | - |
フロントセンターエアバッグ | - | - | - | - | - | - | ○ | ○ |
サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ | ○ | ○ | - | - | - | - | - | - |
フォレスターは4車の中でも、グレードによる安全装備の差が少ないのが印象的でした。全車で基本的な安全装備が充実しているうえ、全グレードでアイサイトXを選択できるのは大きな魅力です。また、サイクリスト対応歩行者保護エアバッグを採用している点も特徴で、安全性能を重視するスバルらしいこだわりを感じました。
RAV4の基本的な安全装備は充実していますが、AdventureとZでは装備差が比較的大きい印象です。特にアダプティブハイビームやアドバンストパークなどはZのみの装備となっており、上級グレードへ誘導するグレード戦略なのかなと感じました。Adventureのデザインが好みという人も多いと思うので、これらの装備はメーカーオプションでも選択できるようになると、より選びやすくなるのではないでしょうか。
CX-5は全車で基本的な安全装備は十分充実していて、G(EXパッケージ装着車)以上を選ぶと、先進運転支援も装着されます。しかし、アダプティブLEDヘッドライトがL専用なのは少し惜しいと感じました。EXパッケージという位置付けを考えると、ALHまで装備されていれば、さらに商品力が高まったように思います。

CR-Vの基本的な安全装備は充実していますが、先進運転支援という点でRSは少し物足りない印象です。より高度な運転支援を求めるなら、Honda SENSING 360を搭載したBLACK EDITION、あるいはアイサイトXを設定するフォレスターなども有力な選択肢になりそうです。一方で、国内ではまだ採用例の少ないフロントセンターエアバッグを標準装備している点は高く評価したいポイントでした。欧州仕様では採用例が増えている装備だけに、衝突安全性能を重視するスバルも、今後日本仕様へ展開してくれると嬉しいですね。
3. 価格
CX-5 G(4WD)は375万6,500円でフォレスター Touring(385万円)、G EXパッケージ装着車(4WD)は398万4,200円でTouring EX(399万3,000円)、L(4WD)は430万6,500円でSPORT EX(419万1,000円)やBlack Selection(430万1,000円)と、それぞれほぼ競合する価格設定です。一方、CX-5にはS(4WD・353万6,500円)というベーシックグレードも設定されており、4WDでも比較的手頃な価格から選べるのが魅力です。対するフォレスターはエントリーグレードから安全装備をはじめ装備が充実しており、価格の安さならCX-5、標準装備の充実度ならフォレスターという印象を受けました。
RAV4 HEV Adventure(450万円)はフォレスター X-BREAK S:HEV EX(452万1,000円)とほぼ同価格です。一方、RAV4 HEV Z(490万円)はフォレスター Premium S:HEV EX(464万2,000円)よりやや高価な設定となっています。RAV4はヘッドアップディスプレイやアダプティブハイビームなど先進装備が充実していますが、フォレスターも安全・快適装備を標準で幅広く備えており、コストパフォーマンスではフォレスターが一歩リードしているように感じました。
CR-V e:HEV RS(4WD)は539万2,200円と、フォレスター Premium S:HEV EX(ナッパレザーシート装着車・499万4,000円)より約40万円高く、Honda SENSING 360を搭載するe:HEV RS BLACK EDITIONは577万9,400円に達します。ただし、CR-Vはボディサイズや室内空間など車格自体が一回り上であり、単純な価格比較はできません。コストパフォーマンスを重視するならフォレスター、装備や車格も含めた上質さを求めるならCR-Vという選び方になりそうです。
3. まとめ
今回比較した4台は、それぞれ異なる個性を持ちながらも、いずれも国内を代表するミドルSUVと言える完成度の高さを感じました。
まずフォレスターは、デザイン、室内空間、走行性能、安全性能、価格のバランスが非常に優れており、まさに「優等生」と呼べる1台です。特にアイサイトをはじめとする安全装備はトップクラスで、グレードによる装備差が少ない点も好印象でした。突出した弱点が見当たらず、総合力という意味では今回比較した4台の中で最もおすすめできるモデルだと感じます。
次に印象が良かったのは意外にもCR-Vです。価格は4台の中で最も高価ですが、その分ボディサイズや室内空間など車格は一段上で、価格に見合った満足感があります。また、大型ディスプレイ化が進む中でも物理スイッチを比較的多く残した操作系は使いやすく感じました。さらに、国内ではまだ採用例の少ないフロントセンターエアバッグを採用している点も高く評価できます。価格面のハードルはありますが、ワンランク上のSUVを求める人には魅力的な選択肢です。
CX-5は、内外装のデザインや質感の高さが際立っており、マツダらしい上質さは健在です。さらに、従来型で指摘されることの多かった後席や荷室の狭さも改善され、商品力は着実に向上しています。一方で、物理スイッチの多くをセンターディスプレイへ集約した操作系には疑問を感じました。また、長年マツダの個性だったクリーンディーゼルが姿を消したことで、"マツダらしさ"が少し薄れたようにも感じます。来年追加予定のストロングハイブリッドには大いに期待したいところです。
RAV4も基本性能や先進装備は充実しており、魅力のあるSUVであることは間違いありません。しかし、フォレスターと比較すると価格はやや高めで、AdventureとZの装備差が大きい点は気になりました。Adventureのデザインを好むユーザーも多いだけに、上級装備をメーカーオプションなどで選択できるようになれば、より魅力的なラインアップになったのではないかと感じます。
4台はいずれも完成度の高いSUVですが、それぞれ異なる価値観で作られています。総合力と安全性能を重視するならフォレスター、ワンランク上の上質さを求めるならCR-V、デザインや質感を重視するならCX-5、先進装備やトヨタのハイブリッドシステムに魅力を感じるならRAV4という選び方になるのではないでしょうか。